桜の夢
第1章 出会い
4月の始め。
私、東城心愛と親友の間瀬小百合は、晴れて高校2年生になった。
といっても、昨年1年間は高校生になったという以外はなんの変哲もない生活を過ごし、高2だからって晴れてなんてこと少しも思ってないんだけども。
むしろ色々と面倒だよね。
「あっ!」
「えっ、何?」
いきなり叫んだ小百合の声で現実に引き戻された私は、小百合の方を向く。
「今年もよろしくね!心愛!」
まさに花が綻ぶような笑顔。
あぁもう…かわいいんだからこの娘は!
私はそんな小百合にちょっとでも伝わるように、自分なりに出来る限りの笑顔で答えた。
「こちらこそよろしくね!小百合!」