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電話ボックス

第1章 一

歩き出してからもあの電話ボックスが気になり、何度も後ろを振り返ってしまう。

だが、何度見てもなんの変哲もない電話ボックスだ。

 それがどうしてこんなに気になるのか。

 何かあるわけではない。

 ただ一瞬あの中に女性の姿が見えた…ように思えただけで。

そんな僕が、その理由に気づいたのは急な雨が降ってきた夜だった。

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