南の龍
第5章 兄貴
私と美春はやや早歩きで美織がいるリビングに向かった。
そこにあったのは一際目立つ金。
真っ金金だこりゃ。
「おー、美椰久しぶり」
そー言ったのは美織。
いや、久しぶりって。
むしろ、金髪の美織と会うのは初めましてだよ。
「なぜ、金髪?」
「あぁ、なんでだろ?」
「死ねよ」
「兄貴に向かってなんだと!」
「その金の理由をまず説明しやがれ、猿」
「誰が猿だ!」
「どうせ、ジャングルでウキーウキーって言ってたんだろうが!それとも動物園か?」
「お前バカにしてんのか?その喧嘩買うぞ」
そう言って美織は座ってたソファから立ち上がった。
「おー、買えや。10000円で売ってやる」
「俺に勝てたら払ってやるよ」
「おー、猿ごときに負けるわけねぇだろーが」
「誰がごときだ、クソ」
「今、猿って認めたな」
私は、そーいって美織に飛び付いた。