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彼はセフレ。

第11章 赤

「シュウ」


「ん?」


「なんでもなーい」


「なんだよそれ」




夕日に染まった横顔が微笑んだ。


シュウが石ころを蹴る。




「あのさ…手、繋がない?」



自然と手を繋ぐことを知らないのかな。



「いいよ?」



シュウはあたしの返事を聞いてからじゃないと繋がなかった。






もう一生、あたしたちが手を繋ぐ日なんて来ないけれど。

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