テキストサイズ

彼はセフレ。

第18章 1人

血が出ると、痛みを感じると、生きていることを実感する。


あたしは痛いことが嫌いだ。


だから切らない。


リストカッターの友達がいる。


その子は「切ってるときは意識がない」と言った。



“無”を求めたのかもしれない。



血にまみれたその子の腕の傷は何を語るのか。


あたしにはわからない。



その子の母親はその腕を見て泣いたという。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ