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麗しの蓮の姫~炎のように愛して~【BL】

第4章 異端者

「もう良いのよ、全部、済んだことじゃない。それに、あたしだって、いっときは、あんたが若さまに手籠めにされちまえば良いなんて思ったんだから。お互い様よ。あんたはよく頑張ってるじゃない、浄蓮。お義母さんの稽古がどんなに難しくても、浄蓮は泣き言一つ、愚痴一つ言わずに続けてるし、他の若い妓たちが厭がる雑用でも進んでやってる。あたしは全部、判ってたよ。だから、気にしなくて良いから、今は泣きたいだけ泣くと良いよ」
「姐さん、姐さん」
 浄蓮は明月のやわらかな胸に顔を伏せて泣いた。
 そして、この瞬間だけは、自分が男として女の胸に抱かれているのではなく、紛うことなく明月の〝妹〟として姉の胸で優しく慰めるられているのだと思えた。
 

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