一万回目のプロポーズ
第4章 あの時みたいに…
『あ、個人写真』
顔が赤くなってしまったことを気づかれないよう、必死にアルバムを指差し
俊司の視線をそこへ集めようとした
「うわ、みんな幼い…
明奈発見~」
『何この不機嫌そうな顔…可愛いげないなぁ
あ、俊司もいた』
つい名前で呼んでしまったが、俊司は何も気にしてないようだ
「えー…歯ぁ抜けてんじゃん…そのくせニッコリ笑いやがって…」
『(笑)』
そのままアルバムを見ていると、俊司がこんなことを口走った
「俺ら小学校の頃から…喋らなくなったな」
『…///
…そ、そうだね』
それ、俊司も思ってたんだ…
「まぁ、一緒のクラスになれなかったんだし、しょうがねーか」
『…ねぇ、何であたしのこと"笹川さん"呼びしてたの?』
「え?ああ…」
俊司は照れ臭そうに顔を掻いた
「なんか…、他の女子は名字呼びで、明奈だけ名前呼びだと…恥ずかしぃってか…///
そ、そういうこと気にするお年頃だったんだよ」
『はあ?』
「だって
"お前〇〇が好きなんだろ~!!?"とか言って冷やかす奴、絶対いるじゃん?」
『確かに』
「そういうの面倒だったから、だから明奈のことも名字で呼ぶようになってた」