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一万回目のプロポーズ

第5章 ちょっとは近づけた



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ホームルームの時間に、先生から話があった


そう、修学旅行についてだ




「みんなも知っての通り、あと3週間もしたらお待ちかねの修学旅行だ」




いえーい!!と、クラスのお調子者が叫び出す



…黙っとりゃー




「それで今日は、修学旅行中に一緒に行動する班を決めようと思う。
で、その班の決め方なんだがー…」



先生はドンッと紙くずの入ったカゴを出した



「くじ引きで♪」



一気に教室はブーイングの嵐に巻き込まれる


中学最後の一大イベント(まだ体育祭は残っているが)は、好きな者同士で組むという暗黙のルールを
先生はいとも簡単に破ったのだ



「俺が決めたことじゃないから、文句なら学年主任に言ってこーい」




『…』



くじ引きかー…



あたしはつい、俊司を見てしまう


もちろん、バレないように…







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