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掌の浜辺

第1章 春 - story -

16.思い

実習に関係のないこと
何で考えるのだろう
時間の無駄にしか思えない


 「ラジオつけながらやるか-」
 言葉には出さず、心の中でそうつぶやいた。延長コ-ドをコンセントにさしこんで、コンポの電源を入れる。あ。FMに切り替え忘れてた。
 ポチン
 DJの人の話か-。この人口悪いけど、すっごい自分出してるっていうか、何か好きになれる。ま、自分を着飾った人ってど-しても好きになれね-からな-。あ。曲のイントロが始まった。ピアノとギタ-。てことは…やっぱり。曲紹介を聞いてすぐわかった。あと少しでベストアルバムを発売する歌手。あ-。懐かし-。サビもいいけどメロディもいいからな-。この曲。あ。てか手止まってた。やるか-。めんどくさいけど。オレは再びペンを走らせた。

 「ん-っあ-」
 椅子に座りながら、ペンを持ったまま、オレはひとつ伸びをする。電子時計の数字は、264751と並んでいた。夜の11時47分51秒。書き始めて5時間近くたってようやく終わった。まとめんのホント無理!あ-。明日5時起きかよ。絶対寝不足になる。ま-でも寝ないよりはマシか。行く準備は明日しよ。ペンを机の上に置いて布団に移動する。灯を消す。おやすみ、と思ったが、やっぱり寝れない。半端なく疲れてんだけど、仰向けで目をつぶってんだけど、何となく少しだけ脳が覚醒してる感じがする。こ-なるとオレはなかなか寝つけなくなる。あ-。寝たいのに。

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