パパはかわら版
第5章 パパはかわら版D
一方橋龍の方は、仕事も終わり、飲みに出かけていた。いつもの行きつけの飲み屋だった。この間は、かなり酔って、祐子にけりを入れられたが、そのとき一緒に飲んでいた礼子と今日も飲んでいた。
橋龍「この間は、私はどうしただろうね」
礼子「覚えてないんですか」
橋龍「恥ずかしいんだが、あまりね」
礼子「眠ってしまわれたので、籠を呼びました。祐子さんが、そうしたほうがいいといったので」
橋龍「ああ、そう。私は、朝起きたら、脇腹が痛かったので、喧嘩でもしたのかなと思って、心配したんだが、じゃあ、どこかにぶつけたのかな」
礼子「さあ、ちょっと、分かりませんが、喧嘩なんかしてませんよ」
橋龍「それを聞いて安心したよ。君に嫌われでもしたら、大変だからね」
礼子「よくいいますね。私達は客と女中というだけで、それ以上の関係ではないじゃないですか」
橋龍「いいや、礼子ちゃんは、この店では一番の女中だよ。私は、君みたいな人が理想だ」
礼子「私が一番ということはありませんけど。橋龍さんに嘘でもそういってもらえるのはうれしいですね」
橋龍「君はこの店では、一番大人びてる。今の若い子は、ほら、みんなちゃらちゃらしているから。私は、ああいうのはどうにも苦手でね」
礼子「そうですか。確かに、私は、大人びてるとはよく言われますが、私からしたら、今の若い子たちはうらやましいですね」
橋龍「なに、いってんの。あんな風になったら終わりだよ。最近の子は料理もできないって言うじゃないか」
礼子「それを言うんだったら、私もあまりしません」
橋龍「まあ、こんな商売してれば、自分では作らないだろうが、それでも君の場合は、できるのに作らないだけだろう。今の子供は、ほんとうにできないんだよ、料理が」
礼子「ええ、子供ですか」
橋龍「いいや、料理は子供の時からやってなければ、うまくはならないだろう。寺子屋を卒業する年になっても、ろくなものも作れないなんて、もらい手がないよ」
礼子「そうですね。私も、結婚はまだですから、料理はきちんとしたほうがいいでしょうか」
橋龍「礼子ちゃんは、する必要がないよ。それだけ美しかったら、美しさを磨くことの方が大切だ。料理なんかしたら、手が荒れるだろう。、、ああごめん、ごめん。礼子ちゃんはまだそんな年じゃなかったね」
橋龍「この間は、私はどうしただろうね」
礼子「覚えてないんですか」
橋龍「恥ずかしいんだが、あまりね」
礼子「眠ってしまわれたので、籠を呼びました。祐子さんが、そうしたほうがいいといったので」
橋龍「ああ、そう。私は、朝起きたら、脇腹が痛かったので、喧嘩でもしたのかなと思って、心配したんだが、じゃあ、どこかにぶつけたのかな」
礼子「さあ、ちょっと、分かりませんが、喧嘩なんかしてませんよ」
橋龍「それを聞いて安心したよ。君に嫌われでもしたら、大変だからね」
礼子「よくいいますね。私達は客と女中というだけで、それ以上の関係ではないじゃないですか」
橋龍「いいや、礼子ちゃんは、この店では一番の女中だよ。私は、君みたいな人が理想だ」
礼子「私が一番ということはありませんけど。橋龍さんに嘘でもそういってもらえるのはうれしいですね」
橋龍「君はこの店では、一番大人びてる。今の若い子は、ほら、みんなちゃらちゃらしているから。私は、ああいうのはどうにも苦手でね」
礼子「そうですか。確かに、私は、大人びてるとはよく言われますが、私からしたら、今の若い子たちはうらやましいですね」
橋龍「なに、いってんの。あんな風になったら終わりだよ。最近の子は料理もできないって言うじゃないか」
礼子「それを言うんだったら、私もあまりしません」
橋龍「まあ、こんな商売してれば、自分では作らないだろうが、それでも君の場合は、できるのに作らないだけだろう。今の子供は、ほんとうにできないんだよ、料理が」
礼子「ええ、子供ですか」
橋龍「いいや、料理は子供の時からやってなければ、うまくはならないだろう。寺子屋を卒業する年になっても、ろくなものも作れないなんて、もらい手がないよ」
礼子「そうですね。私も、結婚はまだですから、料理はきちんとしたほうがいいでしょうか」
橋龍「礼子ちゃんは、する必要がないよ。それだけ美しかったら、美しさを磨くことの方が大切だ。料理なんかしたら、手が荒れるだろう。、、ああごめん、ごめん。礼子ちゃんはまだそんな年じゃなかったね」