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パパはかわら版

第5章 パパはかわら版D

橋龍「今日は、暖かいね」
礼子「そうですね。私は、久しぶりに外に出た感じがします」
橋龍「そう。夜の商売ってそんなもんだろうね。私らはたまに飲みに行くだけだけど、毎日だからね。不健康な生活っていうのは、よくないけど、礼子ちゃん見てると、酒って言うのも健康にいいのかもしれないね。好きなだけ飲んで、綺麗になれるんだったら、飲み屋の女中も意外といい商売かもしれない」
礼子「そんなに飲んでません。毎日本気で飲んでたらやってられません。逆に橋龍さんのように、酔いつぶれるまで飲んでられるのがうらやましいと思っています」
橋龍「私は、そんなに飲むかい。我を忘れる前には止めるようにしてるんだ」
礼子「そうですか。わたしは、酔いつぶれるまで飲んでるんだと思っていました」
橋龍「もうこれ以上はだめと言うところでは止めてるね」
礼子「はい、まあ、そんな感じですね。それでも、心配してるんですよ。無事に帰れるのかどうか」
橋龍「そこまで、心配してくれるんだったら、家まで送って欲しいよ。私も独り身では寂しいからね」
礼子「本気にしますよ。私もそれなりの年ですから」
橋龍「はははは、、怒ると怖いからね」
礼子「このあいだのことですか。あれは忘れてください。芝居ですから」
橋龍「芝居。とてもそんな風には見えなかった」
礼子「久しぶりにやったんですよ。よく似たような芝居を、子供の頃父親にやらされて、もう嫌になって出てきたんです」
橋龍「子供の時にかい」

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