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パパはかわら版

第6章  パパはかわら版E

第五話

橋龍「よお、吉屋ー」
橋龍は、見得を切った市川団十一郎にかけ声をかけた。初江と幸江はそれをあきれてみてた。
初江「何で、私らが歌舞伎なんか見なくちゃなんないのよ」
幸江「ほんとう。全く興味ない」
初江「連れてってくれるって言うからどこかと思ったら、歌舞伎だなんて、全く何考え点だか」
良江「まあ、これだけの演目ですよ、静かにしてみたらどうですか」
初江「こんなのほんとうに楽しいの」
良江「見といて損はありませんよ。市川団十一郎ですよ」
初江「誰よ、それ」
良江「日本で一番の歌舞伎役者ですよ」
初江「えー、あれが、日本一。日本に何人いるのよ、歌舞伎役者って」
幸江「でも、パパは楽しそうに見てるから、途中で帰れないよ」
初江「そうね、しょうがないや。帰りに何かごちそうしてくれるっていってたからつきあうしかないけど、どう、歌舞伎って。もう少し、分かりやすい言葉で言って欲しいよね」
幸江「そうよね。踊ったり、芝居したり、その辺もいまいち」
良江「拍手したり、かけ声かけたりするんですよ。そうやってみんな楽しんでるんです」

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