向かいのお兄さん
第9章 祭
あたしたち一行(総勢8名ほど)は
いろんな屋台を見て回った
『和樹、おごってよ』
「やだよ」
『うわっ、男としてどうかと思う』
あたしが和樹を引いた目で見ると、
「じゃあ僕が奢ってあげるね」
他の人が言ってくれた
名前はー…まだ覚えてないや
『まじっすか!?わぁい///』
「そのかわり、付き合って」
ほんとに佐藤造花店どうなってんだ!!??
『や…っぱいいです』
「そうかー、残念」
男は肩を落とし、ニコッと笑ってみせた
あたしはその笑顔に応えるように、笑い返す
そして丁度、直也が視界に入った
さっきからあまり話に入って来ず、ずっと余所を向いている
そういえば、まだ一言も喋っていない
「今日は花火あるんだよね」
遥が言い出すと、「うん、良く見える場所、探す?」と誰かが言ったので
あたしたちはまた歩き出した