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向かいのお兄さん

第14章 影



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「よーし、今日はもう上がっていいぞー」



「うーっす」



佐藤の親父さんに言われ、みんな返事をした






日も暮れかかってきた時間帯


ようやく今日の仕事も終わった





だいぶ気候も暖かく…いや、かなり暑くなってきたこの時期



熱中症で亡くなる人も、少なくはない



その為の葬式が開かれるわけだが、
造花店は冠婚葬祭どこでも出張し

花を飾る





作り物の


花を









「人が死んで儲かる仕事だ…皮肉なもんだよ」



佐藤の親父さんは、そう愚痴をこぼしたことがある



直也は「そうっすね…」と答えるだけだった









「はぁ」



今日も疲れた




作業着から着替えていると、つい虚しさを感じる





忙しいから





最近は、美咲とは会っていない










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