向かいのお兄さん
第16章 合コンなんて
『ぷは…はぁ…』
あたしは息を切らせながら、直也の部屋の前で足を止めた
これしきのことで息切れなんて、情けないったらありゃしない
『…はぁ…は…』
まだ
帰ってきてはないのかな…?
あたしは扉にもたれたまま、その場に座り込んだ
『…』
あたし…馬鹿ですか…
一体誰のために、こんな面倒なことやってんの?
さっさと帰ろう
『…』
いや
せっかくここまで来たんだから、言いたいこと言ってから帰ろう…
『…』
直也は…
あの顔を、他の誰かにも見せるんだよね…
あの気持ち良さそうな顔を…