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向かいのお兄さん

第21章 神さま




もしもこのまま


直也が目を覚まさなかったら…




『…ゃだ…』





もう二度とあたしに



キスしてくれなくなったら…






『やだぁ…』





後ろからギュッて



抱きしめてくれなくなったら…







『やだぁあああああああああ!!!!』





あたしは膝をついた



スカートと靴下の間の素肌に雪が触れ

痛いほど冷たかった





でもどうでもいい





どうでもいいの…









『かみさまぁ…』





まだあたしは上を向いたままで



涙まで凍りついてしまいそうなくらい寒いのに
涙は止まらなくって






『お願ぃします、直也を死なせなぃで下さぃ…!!
あたし…あたし…
もぅ何にもいりませんから…!!
受験も落ちて構ぃませんから…!!
直也は…連れてぃかなぃでぇ…』




信じるような

ものなどない





それでもどうか…












直也だけは…














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