向かいのお兄さん
第30章 ふたりの関係
あたしはもう、無我夢中だった
『んぁ…あぁああっ…あ、なぉ…やっ///』
あたしが無意識に、背中を伸ばした時だった
直也はあたしから目を離し、そっぽを向いた
『えっ…?///』
何で、目を逸らすの…?
『な…直也ぁ…///』
あたしは、空いている手で直也の服を引っ張った
「何?」
こっちすら向いてくれずに、直也は返事する
『ねぇ…直也っ…///』
「だから何?」
薄笑いを浮かべる横顔が見え、
"わざとだな"と悟った
『み…見て…///』
今、グラグラと煮えたぎるような熱が
あたしを支配している
その熱を冷ましたくはない
だから…
『直也…見て…?///』
「何を?」
そうやって
焦らす