向かいのお兄さん
第30章 ふたりの関係
『…疲れた』
「うん、今日はぐっすり寝ろ」
『…一緒に寝よ…?』
「…」
直也は、あたしをギュウッと抱きしめた
全然その力を緩めることのないまま、
「俺は今日は帰らなきゃ」
と言う
『何で…?』
「窓から入って来たし」
『…うん』
わがまま言うな、と諭された子供のように
名残惜しそうに、あたしは直也から身体を離した
直也は唇にキスすると、「じゃあな」と
窓から外へ出て行ってしまった
『…』
あたし、
顔
ニヤけてる…
『きしょ』
自分の頬をパチンと叩き、あたしはベッドに入って
ゆっくりと眠りに落ちた