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夕方、まだ暑い陽射しをぬけて
重苦しい身体と心を連れて帰宅した


鍵が空いていた


ただいまぁ～。などと言ってみた



「おかえりぃ～」朱里が飛びはねながら玄関に現れた。


あぁぁ…だめだめ飛びはねないで！
桜は、激怒した。


朱里は、首を傾げて桜の後を追いかけた。



あのね、家に来ても構わないから
体調が悪いときは直ぐにメールか電話して…その約束が出来ないなら
今すぐに出てって！

桜はキツイ口調で言った。



朱里は、狸の様な顔をして
うん。と返事をした


「桜さん あの…さ 俺…さくらさんの事すごく気になるし、そばにいると安心するんだよね。あのさ、出来たら
付き合ってくれない?」

朱里は綺麗な顔で桜の目の前に立ちはだかった。



桜は…目線を外し
朱里から逃げた。そしてベランダへ
まだ暑い陽射しを身体に浴びて
言葉を選び
冷静に言った。


あたしは、あなたよりだいぶ歳上よ
きっとあなたは飽きてしまう
その時、私は惨めに後悔するのは
嫌なの。あなたは、美しく魅力的だわ
私は、平凡な女よ。釣り合わないわ。
もっと似合う女性を選びなさい。


と締めくくり
朱里に投げ掛けた


桜の心は

愛する人が先に逝ってしまうなんて耐えれる筈がない。
そんな人生は嫌だ。と思った。


朱里は、桜をベランダの端に追い詰め
きつい口調で言った。

「ふざけるな！僕は、桜さんがいいんだ！歳なんか関係ない！付き合うと言うまで僕は帰らない。」


フンッ

て
顔をして桜を横目でみた。


桜は…

吹き出した



ほぉんとバカね
あなたって…


朱里は、桜に


「平凡な女じゃないよ…素敵な女性だ」


暑い夕焼けの陽射しを受けながら
朱里は、桜にキスをした。