澪―みお―
第4章 宮内 圭
僕が澪と出会ったのは、高校にあがった頃だった。
クラスは違ったけど、あの人目を引く長い黒髪と凛とした顔立ちが一瞬で僕を虜にした。
きっとこの先も、ずっと片想いのままだろうと眺めているだけで充分だった。
彼女は皆に優しく、対等だった。名前も知らないであろう僕とすら挨拶を交わしてくれた。
眺めているだけでいいと思ってたハズが、いつの間にか彼女の特別になりたいと思うようになっていた。
僕は勇気を振り絞る。
「葛原さん」
そう声を掛けると、彼女は黒髪を翻して僕へと向き直る。
「なあに」
戸惑うことなく返される返事に、僕の方が戸惑ってしまっていた。
「あ…好きかも…です」
とんでもないことを言ってしまった。
そう気が付いたのは、記憶もなく家にたどり着いてからだった。
クラスは違ったけど、あの人目を引く長い黒髪と凛とした顔立ちが一瞬で僕を虜にした。
きっとこの先も、ずっと片想いのままだろうと眺めているだけで充分だった。
彼女は皆に優しく、対等だった。名前も知らないであろう僕とすら挨拶を交わしてくれた。
眺めているだけでいいと思ってたハズが、いつの間にか彼女の特別になりたいと思うようになっていた。
僕は勇気を振り絞る。
「葛原さん」
そう声を掛けると、彼女は黒髪を翻して僕へと向き直る。
「なあに」
戸惑うことなく返される返事に、僕の方が戸惑ってしまっていた。
「あ…好きかも…です」
とんでもないことを言ってしまった。
そう気が付いたのは、記憶もなく家にたどり着いてからだった。