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放課後は図書室で

第10章 秘めた想いと決心

「ダメって顔に書いてあるけど、でも前向きに考えてよ。…すぐにとは言わないからさ。」


先輩は何も答えない私に言った。

そして。


「誰にも見つからないように、行く所は選ぶよ、ね?」


先輩はあのいつもの優しい声で囁いた。

思いっきり、心を揺さぶる先輩の甘い声と言葉。


何も考えず、ただ「はい」と頷けたら、ただ単純に喜べたら、凄く幸せなのに…。


自分の自信と勇気の無さが嫌になる。

考えすぎて身を引いてしまう臆病なところも嫌になる。

情けなくて悲しくて、泣きそうになるのを堪えた。

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