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放課後は図書室で

第11章 出口の見えないトンネル

携帯に登録してしまったら、また連絡する口実を探してしまうかもしれない。

さっきの決心を揺るがないものにするため、四つ折のレポート用紙は記憶の片隅に追いやることにした。



その後は、明日からみんなに何と言って図書室に寄らずに帰ろうか、思案した。


そろそろテスト期間なので、家に帰って勉強することにしようか。

今日、遅く帰ってしまったから、しばらくは早く帰ってくるように親に言われたことにしようか。

塾に通うことになったと言おうか…。


普段もテスト前に図書室で勉強会をしているし、私の両親とも共働きで帰りが遅いことをみんな知っているので、どれもすぐにバレてしまいそうなことだった。

それでも、正直に言うのは心配してくれているみんなに悪くて、はばかられた。

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