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放課後は図書室で

第15章 それでも好きな場所に

「ジュースとポテト奢るから!…ちょっと付き合って!」


紗耶香は笑いながら私の腕を握ると、さっき入ってきた改札に向かって歩き始めた。


「さ、紗耶香…?」


「せっかくのこんな話、聞かないわけにはいかないでしょ?」


びっくりして声をあげると、紗耶香は楽しそうに笑いながら、でも私の腕を握ったまま歩き続けた。


人のココロを読むのがうまい紗耶香のことだから、きっといろいろ感づいているのかも。

だけど…。


自分の中でもちゃんと整理できていないと思うこの気持ちなのに、なんだかとても複雑な気分だった。

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