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放課後は図書室で

第16章 張り詰めた空気

「読書に負けたかな?…なんか、最近熱中して友達とみんなで読んでるよね。」


避けてるというのを否定する私に先輩は笑って言った。


「莉沙が見つけてきたらしいんですが…。ティーンの女の子向けの小説で、シリーズでたくさんあるんです…。」


「女の子向けか。…当分、話題に乗っかることはできなそうだね。」


話を逸らしたくて言い訳のように言うと、先輩はまた笑った。


「それだけならいいんだけど…。避けられてたら…なんて思ったから。」


話を逸らしたつもりだったのに、やっぱり先輩は私が避けていたことに気付いていたのか、また笑顔で言った。

また、胸がズキンと痛んだ。

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