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放課後は図書室で

第17章 約束のデート

「間接キス、だから余計美味しいんだよね、きっと」


私の持っているチュロスの二口目を口に入れるのを見計らって、先輩は耳元でそっと囁いた。


間接……キ…ス…。


その響きに胸がドクンと鳴った。

先輩はいつもの笑顔のまま私を見ながら、チュロスを食べ続けているけど…。


私は何も考えられなくて顔を熱くさせたまま、そんな先輩をただ見ていた。


「ほーら、早く食べないと俺が食べちゃうよ?」


自分のを食べきった先輩が、まだ8割がた残っている私のを見ながら言った。

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