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ルーレット「00」

第4章 愛し方

流れた涙は、外傷ではなく心の痛み。


またもや、置いて行かれたオレは…
泣く事しか出来なかった。



バカみたいだ。



本当に切って、知らなくていい痛みまで味わって。

オレのチンコを切ろうとして、大泣きしたのは直兄なのに。
今更…ずるいよ。


嗚咽と啜り泣きは、直兄が帰って来ても続き、直兄は大きなため息を漏らすと、イヤホンをして机に向かっていた。


…それは明け方まで。


オレはその後ろ姿を見つめながら、うとうとと眠りについた。

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