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　ﾄｷﾘの質問にｶﾚﾝは首を振った｡

｢だから……だから､わたしは好きになれないんです｡ごめんなさい｡会長……｣


　ｶﾚﾝの答えにﾄｷﾘは黙ると再び獣のようにｶﾚﾝの体の快楽を貪った｡


◇


｢会長……わたしたち別れましょうね｣

｢わかったわよ！｣

　ｶﾚﾝの言葉にﾄｷﾘは頷く｡

｢わかりますよね｡好きだから別れるんです｡会長はわたしみたいなふたなりじゃなくて普通の男の子と恋をしてください｡そして……幸せになって……｣

　ﾄｷﾘは何も言わない｡よくわからなかった｡同性愛とかふたなりとかよくわからない｡でも､多分､沢山苦労すると思った｡それにﾄｷﾘは綾嶋重工の次期会長なのだ｡何十万人の社員を自分の幸せと引きかえに奪うことはできない｡