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叫べ

第2章 動




リュックを持って席を立とうとすると、先に女性が席を立った。
お金を料金箱に入れ、運転手に何も言わず降りていく。




「あっ、お客さん!」




女性は振り向きもせず、進行方向に歩いて行った。




「歩いて行くのか? 次の集落までだいぶあるのに…」




運転手はそう呟いたが、追いかけることはなかった。




僕は運転手の顔を見た。




どこかホッとしているようだった。




…気に食わない。











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