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愛恋縁一方的愛情劇

第3章 監禁?束縛?

「…あの」
「…あんさぁ」







「どぞ、先に。」
「先言えよ。」







「お前言えよ。」


「ぁ…あの…ね」



わぁー!!わぁー!!
めっちゃ動揺するんだけど…。

だって、あんなに綺麗にハモったりします!?

しかも、二回!!

有り得ない!!
これは…あれだ…、運命の悪戯だ!!なんてね、嘘ですよ。


「あ…の、僕ね?…恋愛をするのが怖くて…、だから、惇君のしたいこと…嫌だって言うかもしれないっ。」


言い切った。


で、何でこんな静かなんだろう。


怖い…怖い…嫌わないでください。


お願い!!さっきみたいに、優しく笑って良いよっていって?

「んなもん気にすんなって。どうせ逃げられないんだし、しかも俺が恋愛に入る可能性は0じゃないんだろ?なら俺は何処までだってどんなやり方でもやり遂げてやるからな。」


惇君はまたさっきのように、ニヘラと笑うと、


「そんなことか?」

と、軽く馬鹿にするように笑われてしまった。


良かった。


ほぉー…本当に良かった。


だって、彼みたいにされたら、僕はまた絶望の縁に立たされることになる。


「うん、…惇君はどうしたの?」


僕が尋ねると、惇君は急に顔を俯かせて、暗い顔をしている。


「どうしたの?」


心配になる。


「俺……、」


惇君は生唾をゴクリと呑むと、決意をしたように僕の目を見ながら、


「二重人格なんだ。」


「そうなんだぁ~」

「そうなんだよ。」







待って、お願い、一秒考える時間を下さい!!


二重人格ってあれだよね…、遊戯王のもう1人の僕が出没しちゃうって言うことだよね…。


なんで?


なんで!?


なんで惇君が二重人格なんかに?


「ぁ…ぇと…、」


僕は返事に困った。

タジタジしてしまって、何も言って上げられずただ俯くことしか出来ない。


「そぉなるよな。カイだってそうだったし。」


「カ…イ?」


「あぁ、俺と同じく不良で仲間のカイてのが居るんだけど、そいつに言っても、無反応。理解してんのかも分からんかったけど…。」


「二重…人格…」


「そ、俺、なんか二重人格みたいでさぁ。」


渋々と頭を掻きながら、俯いて溜め息を吐く惇君くん。


「き…気にしなくても、良いよ!!」

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