テキストサイズ

気になるアイツ

第10章 文化祭の告白

ドアを開けると、人影が二つ。

「桐野…」

先に声を出したのは中にいた方だった。

薄暗い教室の中で、顔を判別することは出来ないが、それは藤島の声だった。


もしや…!


「悪い、邪魔した」

すぐさま察してドアを閉めた。

どうやら藤島の告白の場面に居合わせてしまったようだ。

もう一人は梨江子だった。

俺には顔を見なくてもそれがわかってしまった。


梨江子はなんて返事をするんだろう…


答えを知りたいのに、その場から逃げ出したくて、足早に今度は人がいないだろう屋上へと向かった。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ