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気になるアイツ

第11章 理由

「俺、誘われてたりするわけ?」

梨江子は何も答えずにいる。

だが、その顔はちょっといじわるな微笑をうかべていた。

なんだか悔しくて、俺はちょっと息を吐いた。

梨江子の頭を撫でて、なんでもなかったように買ってきた雑誌を広げる。

「…やっぱりリコじゃないからダメなの?」

さっきのいじわるな顔からは想像できないようなか細い声が聞こえた。

ただそのまま梨江子の誘いにのるのが癪だっただけで、そこまで考えていなかったのだけど、梨江子は気にしていたのかすっかり黙ってしまった。

ソファにうつぶせたまま顔をあげない。

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