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恋ばか

第24章 ~新しい生活~

~春架SIDE~
「兄ちゃん…」

兄が乗っているであろう飛行機が、飛び去っていく。

「ごめんね…」

今まで、一体どれほど兄を苦しめてきたのか、想像がつかない。

「…っ……」

なのに…兄はいつも笑っていた。

「…俺も…早く大人にならないとな…」

「そうだな。」

返事が返ってきたことに驚き、振り返れば、意外な人物が立っていた。

「空さん…」

「よっ。」

彼はこちらに近づいて来ると、少し遠慮がちに尋ねてきた。

「隣…いいか?」

「あっ…どうぞ。」

少し場所を空けると、彼はそこに腰かけた。

「なんでここにいるんですか?」

「ん? あぁ…」

空さんは一瞬こちらを見ると、視線を兄が乗っているであろう飛行機に移した。

「…見送り…かな?」

「え?」

そう言って、空さんは悲しそうに笑った。

その時、不謹慎ながら思ってしまったんだ。

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