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恋ばか

第26章 番外編~Merry Christmas~

「なんでそんな大事なこと忘れるんだよ?」

「……だって…」

俺は小さい頃から親は不在なことが多かったし…
お祖父様と仲も悪かったから、一緒にお祝いなんかするはずない。

それに、俺は中学に入ったときに一人暮らしを始めたから、祝う必要なんてなかった。

留学してる間は向こうの友達に誘われたけど、毎年断ってた。

早く…少しでも早く亮に会いたくて、勉強ばかりしていたから…

「…まあ、しょうがないか…お前にはそういう習慣がないんだもんな。」

「…………」

境もそれを知っているためか、少し悲しそうに微笑んだ。

「ごめん…」

「謝んなよ。」

境は渇いた声で笑い、話を戻した。

「まあ、ちょうどいいや。 あのさ、今日暇?」

「ぇ? うん…」

不思議に思いながら頷く。

「じゃあさ、プレゼント買いに行こうぜ。」

「い、今!?」

驚いて声を上げると、「当たり前だ。」と言って、境は俺の腕を掴んで立ち上がった。

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