
恋ばか
第37章 ~お慕い申し上げます~
「失礼します。」
「………入れ。」
返事が返ってきたのを確認してから、部屋の中に入る。
「お呼びでしょうか?」
「あぁ。 こっちに来い。」
上半身裸のままベッドに横になっているニック様は、隣を示された。
「…はい。」
なにをされるのか、想像がつく。
「早くしろ。」
「……すみません…」
おそるおそる、ニック様の隣に横になった。
「頭上げろよ。 気が利かねぇな。」
「?」
ニック様に指示された通りに頭を上げると、ニック様は腕枕なさった。
「あ、あの…」
「もっとくっつけ。 寒い。」
くっつけと言われましても…
「ほら。」
「っ!!」
強制的にニック様の方を向かされ、目の前にはニック様の整った顔が。
逃げようと思っても、腰をがっちり掴まれていて逃げられない。
「え、あの…ニック様…?」
「なんだよ。」
なんだよ…って…え?
「別に、お前が想像してるようなことはなにもしないぞ?」
「………」
嘘…絶対されると思ってた。
「期待させて悪いけどな。」
「き、期待なんてしてませんっ!!!!」
ニック様から体を離そうとしたら、逆に強く抱きしめられてしまいました。
