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恋ばか

第8章 ~親友、そして再会~

確かに、私がここで働き出したのは10年前からです。

しかし、住み込みで働くようになったのは2年前からです。
その前までは、朝と夜は境様の身の回りのお世話をし、昼はこの屋敷で雑用をする…そんな生活を送っていました。

忙しい生活を送っている中で境様に惹かれたのは、4年前…あなたが10歳の時です。

その頃の私はまだ誰にも心を読まれた事がなく…いえ…読まれない自信があった。

そんな、誰にも心を開かない私に周りの人は気味悪がって近づかず、私も気にせずにいました。

ある朝…たしか、6時半ぐらいだったと思います…電話が掛かって来ました。
こんな朝早くから誰だろうと思い出てみると、それは…妹が入院している病院からでした。

今は私には身内が一人もいませんが、実は4つ下の妹がいました。雪という名です。
幼い頃に両親を亡くした私達はお互いを支え合って生きていたんです。

しかし、雪が10歳の時、彼女は風邪をこじらせて肺炎になってしまい、入院する事になりました。
私は早く雪の病気を治そうと、必死で働きました。

しかし、雪は一向によくならず、悪くなっていく一方でした。
それでも私は諦めず、雪のために働き続けました。
そんな生活を送って7年が経った時、雪が死んだと連絡が入ったんです。

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