空と太陽
第3章 夏、放課後の教室
「夏だー!!!」
「夏休みだー!!!」
「スイカわりだー!!!」
楽しそうに夏について
語り合う高乃宮中学校
3年A組のみなさん
「今日は水泳あるし」
「前の時間の水泳は
最悪やったねー」
「あー…ははは…」
男女混合の水泳授業は
女子にとっては苦痛
なにしろA組の
男子はガキばっかり
女子の胸をみて
大騒ぎ。
「ほんっと変態よね〜」
「まぁまぁ
先生に訴えたら今日からは
男女別々でできるんだし
いいじゃん♪」
「由宇は優しいね〜」
「空のほうが優しいよ」
そう
空は黙って空を
ながめている
「あれはいじけてんのよ」
「あはは…」
そう、空は前回の
水泳の授業で
男子にバカにされまくったのだ
――――――
「うはっ中村ちっさ!!」
「Aもないべー」
ギャハハハハハ…
――――――
「はぁ…」
「空!!元気だして!!」
「…むり…」
「いいからっほらっ!」
「なんで〜…」
「大空先生きたよっ♪」
「よけいテンションさがるわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
空の叫び声は
隣の隣のクラスまで
聞こえたらしい…