秘書のお仕事
第7章 関係
「…やっぱ、ごめん」
あたしが声を発する前に、涼はプイッと後ろを向いてしまった
あたしがそんな涼の腕を引っ張ったのは
その時の涼の顔が赤らんでいたから
『嫌じゃ…ないから…』
「…嘘つかなくていいって」
『ほんとだから…』
恋人同士の好きとは、またどこか違うんだけれど
「社長への、仕返し…」
涼のキスは
心が温まった
『…ん///』
涼の手があたしの頬を撫でるだけで
包み込まれるようだ
唇で唇を挟んだり
押し付けたりしていると
身体の芯がポカポカとしてきた
それと一緒に
あのクソ社長への鬱憤が
また沸き起こってきた