
秘書のお仕事
第8章 失態
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それからまたしばらくして、社長が戻ってきた
「ふう…」
扉を閉めてもたれかかり、一息つく
『…』
あたしは
どうしたらいいのかわからない
「相沢」
呼ばれたけれど、返事だって出来ない
顔を見ることすら…無理だ
「やらかしてくれたな」
『…』
じっと地面を見つめていると、視界に社長の革靴が映った
「こっちを見ろ」
『…』
「相沢」
『…』
「ガキか」
あたしは顎を掴まれ、強引に顔を上げられた
ただ、近くにある社長の目だけ、見ることを拒んだ
「何であんなことしたんだ?」
『…』
「おい」
『田村様…怒ってました?』
