秘書のお仕事
第9章 板挟み
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その日は比較的に余裕のあるスケジュールだった
企業訪問もないし、これといったお客様もいない
『嬉しい…』
食堂でのお昼はこんな日くらいしかゆっくり出来ない
実は美味しい食堂の料理…
あたしは機会があるごとに楽しみにしているのであーる
『いただきますっ』
長机に並べたのは、シーザーサラダにタラコスパゲッティー、最後にフルーツジュースである
あたしはそのキラキラと輝く彼らに、フォークを持って行った
「千晴じゃん」
『ふぐぁっ』
口に入れたスパゲッティーが逆流しそうになった
『ふぃ、ふぃぎあぃおえはへあいえおえ!!!』
「わり、何言ってんのか全然わかんね」
あたしはフルーツジュースでスパゲッティーを流し込む
『いきなり声かけないでよね!!!』
「あ、わりーわりー」
悪びれる様子なんて微塵も見せずに、涼は笑った