テキストサイズ

BL~中編・長編集~

第16章 ~Riproduzione~

「おい、大丈夫か!!?」

「松下・・・お前、どうしてここがわかったんだ・・っ・・・・?」

自力で体を起こし、そう尋ねてみた。

思ったより体のダメージはないようだ。

「俺がお前と別れた後、さっきの不良どもがお前の方に向かって行くのが見えたから、まさかと思って戻ってきたんだよ。」

「そうか・・・・ありがとうな。」

よろけながら立ち上がると、松下が心配そうに声をかけてきた。

「本当に大丈夫か? 病院に行った方が・・・・」

「平気。 見た目ほど重傷じゃない。」

体なんかより、精神的ダメージの方がでかい。

「本当にありがとうな。 おかげで助かった。」

「あ、あぁ・・・・」

松下に一言お礼を言うと、そのまま倉庫を出た。

「はぁっ・・・は・・・ッ・・」

廊下ですれ違う生徒の視線を感じながら、屋上への階段を上る。

勝手に作った合鍵を使って扉を開けると、蒸し暑い空気が体を襲った。

「っ・・・暑いな・・・・」

これは思ったよりもきついな。

でも・・・・教室でみんなからの視線を受けるよりはましだ。

「・・・豊・・・・」

壁にもたれかかって座りこむと、俺は意識を手放した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ