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BL~中編・長編集~

第21章 ~番外編②~

「まぁ、気にすんな。」

「えー!! すごい気になるんだけど!!」

風間を挟んで喚いている近藤を軽くかわしながら、接客をしている雪さんに視線を移す。

「すみませーん!!」

「はーい!!」

「………」

楽しそうな笑顔。

あの頃と同じだな…

「ねぇ、豊ー!!」

「なんだよ、うるさいな。」

まだ聞いてくるのか。

「僕も知りたいな。」

「ほら!! 穣君だってそう言ってるよ!!」

………45年か。

長いようで、短かったような…

「うーん…内緒。」

「「えぇ~…」」

やっと…一番大切な人を手に入れた。

「あ、そうだ。 二ヶ月セックス禁止は、取り消さないからな。」

「ぇえ!?」

潤は、こんな俺を好きだと言ってくれた。

だから…ありのままの自分で生きていくことにしよう。

「当たり前だろ。」

「そこはさ~…ね?」

そんな簡単に、昨夜のことは許さないっての。

「絶対嫌。」

「豊~…」

45年…離れていた俺達だけど、これからも変わらずに一緒にいるだろう。

いや、変わらずに…というのは違うかもしれない。

「そんな顔してもダメ。」

「ちぇっ…」

以前より、潤の近くで…大好きな人の隣で、心から笑う日が増えていくだろう。

「ま、いいか。」

「?」

潤とこんな風に笑いあえる日がくるなんて、想像もしてなかったけど…

「絶対に豊の方から求めさせてやるからな。」

「ははっ。 バーカ。」

45年越しの恋も、悪くないだろ?




~END~

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