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白い雪のような

第2章 夜の逢瀬

足音を殺して離れへの廊下を歩く。

関門は一つ。

それを抜ければあとは
はやる心臓の音を抑えるだけ。

シャツ越しでもわかるほどの鼓動。

期待にはやる音はうるさいくらいだった。

「…早かったね、
まだ皆起きてるんじゃないの?」

「……」

月の光が明るい夜。

照らしだされた微笑みは
白く透き通って、
消えてしまいそうだった。

「惺兄…」

「おいで、洸太」

差し出された手にすがるように、
洸太は体を投げ出した。

「ふっ…ん…」

張り詰めていた息が漏れる。

細い体を抱きしめるだけで、
胸が苦しくなった。


この時を

ずっと

待ってた

もうないかもしれないと思うと

怖くて

眠れなかった


指先で唇に触れる。

出された舌に舌を絡めた。


それが合図だ。

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