向かいのお兄さん
第12章 洗わなきゃ
『え、ちょっ…///』
「…」
あたしは戸惑った
いつもなら突き飛ばしてしまうくらい拒むのに
今は、そうしようとはしなかったから…
直也の腕は、直也の手は
あたしの背中を大きく包み込み
その力のせいで、直也の服のボタンが身体に食い込んで痛いくらいなのに
それなのに優しくて
温かくて…
あたしがほてっているせい?
あたしの手は、直也の身体を抱きしめようか迷った
中途半端に宙を漂い
中途半端に持ち上がったあたしの手…
『ど…したの…?///』
「…」
直也は何も言ってくれない
あたしの肩に顔を埋めて
何を
考えてるの?