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向かいのお兄さん

第4章 電話で




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あっという間にやって来た月曜日


しかも、もう下校時刻だ





『はぁ…』



右肩に担いだ鞄が重い



このままじゃ体がえがみそうだ





あたしは道の角を曲がった



ここを曲がれば、もううちが見えてくる







「美咲ちゃんお帰りー!!」





この元気な声は



佐藤のおばちゃんだ





『ただいまーっ』




明るく振る舞う

これは社交辞令とかじゃなくて、おばちゃんのことが普通に好きだから




仕事中のおばちゃん




周りには、トラックに荷物を積んだりしているイケメン労働者たちの姿があった



うん、働く男、いいよね





『こんにちはっ』



そこの人たちとも目が合ったので、一応挨拶をする



照れ臭そうな「こんにちは」が返ってくるのも、悪くはない





しかし




その労働者たちの中に、今1番会いたくない人間の姿が見えた






…直也





『…』





あたしは、小さく手を振る直也を無視し


さっさと家に入った








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