向かいのお兄さん
第20章 あたしもね
『さ…むい』
あたしは、すでに閉まっている窓を
さらに閉めようとした
結構古い家だから、隙間から外の冷気が入ってくるんだ
『…』
明日はもう、年を越す
今のあたしには関係のない正月が
やってくる
『…』
この問題だけ解いて
もう寝よ
あたしの中の
何かがぽっかり空いたまま
もう何日が過ぎたんだろう
―――――――――――
朝は
夜よりも寒かった
『…10時…』
寝すぎた
久しぶりに寝すぎた
でもさすがに起きなきゃな…
そばに落ちていた服を何枚も重ね着して
何となくベッドの上でほっこりとしていた
すると外から、楽しそうな声と何かを打つような音が聞こえた