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向かいのお兄さん

第21章 神さま








『…』





あたしはマフラーをして、手袋もはめ

病室を出た





何も考えられないまま


家に戻る





その家が見えてきたんだけれど


あたしは通りすぎた





まだ積もった雪の上を


サク サク と踏み鳴らしながら


歩く





近くの駐車場につき


真ん中まで歩いた





鼻が冷たい


足の指先も、凍ってしまいそうだ











ハラハラと


降ってくる雪





あたしの頭と肩を


少しずつ白に染めた






『…』




見上げると


真っ暗な空から


落ちてくるんだ





近くにあった街灯の明かりで、優しい色をした雪は



崩れた顔したあたしの口に


入った








『ひっく…ひっ…ぁ…ぅあぁん…』















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