向かいのお兄さん
第35章 彼女
それから3日経った
直也とは
一度もしゃべっていないし
一度も目を合わせてないし
直也が
あたしとの関わりを避けた
「―――教育で大事なこととは、まずこの3つ…―――」
講義の内容も、耳に入っては耳から抜けていく
何も
身に入らない
あたしはもう、直也のことで頭がいっぱいだったから…
――――――――――
「美咲ちゃん、最近元気ないね」
大学内にある図書館で、あたしが本を探しているとき
隣から声を掛けられた
『ああ…寺内先輩』
声を掛けてきたのは、
同じサークルに所属している、あたしのポッキーゲームの相手になった寺内先輩だった