向かいのお兄さん
第39章 元通り
しばらく玄関で、そのまま突っ立ていると
直也はあたしを抱きしめた状態で足を進めた
『?』
どこに行くのかと黙っていると、脱衣所に入った
ありゃ…いきなりお風呂入るのか…
と覚悟していると、別に服を脱ぎ出す様子もない
『直也…?』
すぐ斜め後ろにある直也の顔を覗こうと首をひねるけれど
もう少しというところで直也の顔は見えない
チラチラと、髪が見えるだけだ
『直也ー…?』
もっといきなり、乳やら尻やら揉んでくるんじゃないかと構えていたのに
そんな素振りは微塵も見せない
『どうしたの?』
キュッと、あたしを抱きしめる直也の手に力が入った
あたしの肩に顎を乗っけて、そっと頭を寄せてくる
「前、見て」
『前?』