向かいのお兄さん
第40章 これからも
「美咲ー…」
天井に向かって
直也は言った
『何?』
「美咲ー…」
だから何よ?
と言おうとすると、ベッドに投げ出された直也の手が、握ったり開かれたりするのが目に入った
あたしが黙ったまま、その手の平に手を置くと
直也は握り返してきた
「ありがと」
『ううん』
そのまま手を引かれると
あたしは自然と、直也の隣に寝そべった
「あのな…」
『うん』
開けたあたしの額にキスをして
直也はあたしに目を合わせた
「これからも…そばにいて…?」
いつから
こんなに甘えん坊になったんだろ
『いるよ…これからも、ずっと』