向かいのお兄さん
第7章 はじめまして
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テストなので、学校は午前中に終わった
その帰り道に、あたしは悩む
何をって、直也にお礼を言うかどうかだ
…メールでもしようかな
うん、そうしよう
もし話を脱線させられたら、ぶちってやったらいいや
ひとり納得して頷き、あたしは家が見えるまでの最後の曲がり角を曲がった
その瞬間、顔面に激痛が走った
『いだぁあ!!!』
あたしは鞄を落とし、顔を手で覆った
額がじんじんと痛む
「うわっ、ゴメンな!!」
あたしは涙で潤んだ目で、前方に立っている人の顔を確認した
そこにいたのは、大きな荷物を抱えた
イケメン労働者の一員とおぼしき男